ウェイクサーフィンSTART GUIDE

ウェイクサーフィン=エンドレスサーフィン

海でのサーフィンは波待ちしなくちゃならないし、波に乗れてもほんの数十秒、いや数秒だったりする。
それが自然と対峙するサーフィンの魅力でもあるけど、初心者から中級者になるには長い時間と経験が必要になるのが現実。
ウェイクサーフィンは自分専用の波が用意されている。海のルールもマナーも関係なし。
トーイングボートの曳き波を利用するので、ボートを止めるまでとめどなく波が目の前に作られていく。
永遠に波に乗り続けられる、反復練習ができる、波の取り合いなし、これがウェイクサーフィンの最大の魅力。

安全に楽しむために

ウェイクサーフィンを楽しむためには、トーイングボートが必要だということが大前提。
RARE Wakeboard Academyでは「Malibu 22 LSV」というウェイクサーフィン&ウェイクボードを楽しめるボートを用意して、初心者からコンペティターまで満足してもらえるセッティングを心掛けている。
私たちだけでなく、ウェイクサーフィンスクールは楽しめる波と環境づくりが大きな仕事なので、ぜひ安心してトライしてみてほしい。
スクールでなくとも、個人艇で楽しんでいるウェイクサーファーもかなり増えてきている。
ここで注意したいのは、船外機や船内外機を持っていて水遊びをするとしても、ウェイクサーフィンは絶対にやってはいけないということ。
ウェイクボードと違ってウェイクサーフィンはライダーとボートの距離が近いので、プロペラが船体後部にむき出しになっている船外機・船内外機がどれだけ危険か想像してもらえると思う。
また、ライフジャケットの着用、専用のロープを使うなど、怪我やトラブルのリスクを下げてウェイクサーフィンを楽しもう。

スタートは水のパワーに負けないこと

最初の立ち上がりについて簡単に説明すると、ウェイクボードの要領とほぼ同じで、足が固定されているかされていないかの違い。
足の下にサーフボードをセットして、ボートから伸ばされたロープを持ち、走り出したらゆっくり立ち上がる。
腕は伸ばす、足の裏でボードをしっかりと踏む、最初はしゃがんだままでもいい。ボートのスピードはゆっくりでも、水のパワーは想像よりも強いので負けないように。
立ち上がることができたら体勢を固めて、波のパワーポイントを見極めよう。
海のサーフィンと違って波の大きさは常に一定なので、大きく体を動かすよりは体勢を安定させることによって長くライディングすることができる。
ロープはまだ握ったまま、自分がボートからどのくらいの場所にいるのか、どこまで離れられるのかをチェックしてみてもいい。
足の位置も重要なのでボードのどこに乗れば安定するか、体幹を意識しながら探ってみよう。

ウェイクサーフィンの醍醐味

さて、水の上に立つことができて、ロープを握ったままターンができるようになったら次のステップに進もう。
サーフボードに乗った己の身体と波、一対一で向き合ってこそ「波乗り」。いつまでもロープに頼っていたらウェイクサーフィンではなくてトーイングサーフィンだ。
握りしめたロープを投げ捨てて、体幹を意識してバランスをとる。ボードコントロールをしているつもりでもロープという支えがなくなると、体勢が崩れてボードが暴れたり、パワーポイントから外れてしまったりする。
だけど、何度もトライできるのがウェイクサーフィンのいいところ。フォールしてしまってもボートが迎えに来て、同じ波を作ってくれる。
回数を重ねるごとにロープを離すタイミングが早くなってくる。ロープに頼らない時間が長くなっていく。
これが最初の「上達の喜び」だ。焦らずに集中して、この醍醐味を味わってほしい。

ウェイクサーフィン上達への道

国内外で多くの競技会が開催され、世界的にも右肩上がりのウェイクサーフィン。
自分に合ったクラスで大会に出てみるのもきっと楽しい。目標ができて練習にも力が入る。
お気に入りのボードに乗っている時間が何よりリラックスできる、大会にでなくても最高に楽しい。
どちらも大正解、だけど「今よりもっと上手くなりたい」っていうのは共通しているはず。
アクティブスポーツは文章で説明するのがとても難しいけど、思いつくままに「上達への道」を書いてみたのでぜひチェックしてほしい。
異論は受け付ける。ぜひRAREに遊びに来て話しを聞かせて。

インストラクターの話をよく聞こう

インストラクターは、長い時間と多くの体力をそそいで得た知識を伝えてくれようとする。
限られた時間で思い切り楽しんでほしいから、一生懸命教えてくれる。
その通りにできなくてもいい、わからなかったら何度聞き返してもいい、あなたに合ったアドバイスをしてくれているので、しっかりと耳をかたむけることが大切。

ボード選びはかなり重要

「いつも使っているサーフボードを持っていってもいいですか?」
海のサーフィンを楽しんでいる人からよく聞かれる質問だけど、ウェイクサーフィンはロングボードでも楽しむことができるので、愛用のサーフボードを持って来てもらうのはもちろんOK。
ただし、海のサーフィンとウェイクサーフィンは別のスポーツ、ウェイクサーフィンのために作られているボードは想像以上に数多く流通している。
ボードの種類は大きく分けると「スキム」(画像左)と「サーフ」(画像右)がある。
「スキム」はバランス感覚を楽しむルーズなボード、シェイプは薄く、フィンは小さめで一枚フィンもしくはフィンレス。
「サーフ」はダイナミックな動きを楽しむ、少し厚めで、大き目のツインフィンが主流。

「スキム」「サーフ」のどちらも同じ動きができるので、最初は体格に合っていて直進安定性の高いボードをおススメしている。
初心者の方には浮力がある「サーフ」を使用してもらっているが、上達するにつれ自分のスタイルがわかってくる。
機会があれば色々なボードに乗ってほしい。自分にとってのベストボードを見つけるのはなかなか難しいけど、ボードの特性を知ることや乗ってみて得た経験は確実に上達のカギとなるはずだ。

マニューバーのコツ

マニューバー=波の上でボードの方向を変えること。
ウェイクサーフィン業界は言論の自由があるので、地域や人によって言い方は様々。ここではターンをメインに話をしたいと思う。
スムーズに立ち上がれるようになって、ハンドルを投げ捨てて安定したライディングができるようになる、練習の成果を体感し始める。
ここがウェイクサーフィンの深い沼の入口。待っているのは「マニューバーを楽しむ」という次のテーマ。
波から少し離れてから勢いをつけて、スプレーをあげながらターンする。繰り返すたびに太ももが熱を帯びてくる。
自分のためだけに作られた波を乗りこなす気持ちよさは格別。
この時、上半身をロックすることをいつも伝えている。逆に、下半身はつま先までフルに使ってボードをコントロールすることが大切だ。
大きいターンができるようになるとウェイクサーフィンの本質が見えてくる。もっと楽しくなるはずだ。

一目置かれるテイクオフ

通常のスタートはウェイクボードと同じく、ボードを足の下にセットしてふみしめるように立ち上がる。簡単だしスムーズ。
だけど、海のサーフィンではあり得ない動き。
パドリングしながら加速し、波とスピードを合わせてボードの上に立ち上がる「テイクオフ」。
サーファーが江戸川にやってきて、簡単そうにテイクオフするのを何度も見てきたけど、彼らは毎回表情を変える自然の波と戦ってきた百戦錬磨の波乗りたち。
そう、簡単じゃない。
筋力が必要だし、限られた時間の中で何度も反復するのは厳しいけど、練習する価値は確実にある。
ロープを持ってパドリングの体勢で待つ、ボートが走り出したらロープを離しパドリングでスピードを合わせる。波のパワーポイントをとらえたらバランスをキープしながら立ち上がる。
体幹、バランス、タイミング、スピード、集中、あらゆる感覚を総動員。
立ち上がってからも気を抜いてはいけない。目の前に現れる波をしっかりとらえて
テイクオフできるようになったら、また違う景色が見られれるはずだ。

ウェイクサーフィン豆知識

ウェイク (ウェイキー)

ボートが作る曳波。

トーイング

towing=牽引。ボートを運転してライダーを引っ張ることをトーイングという。

レギュラー/グーフィー

ウェイクサーフィンは横乗り(サイドウェイポジション)なので、必ずどちらかが進行方向の前足になる。左足前はレギュラースタンス、右足前はグーフィースタンス。

レール

操作性、ボードコントロールに大きく関わる、サーフボードの側面の形状。
安定性が高く最も主流なのが「ブレンドレール」、スキムボードに多いエッジの立った「ハードレール」、初心者向けの「ソフトレール」に分かれる。

ノーズ/テール

サーフボードのノーズとテールの形状はライディングを左右する。特性を知り自分に合ったサーフボードを探そう。
まずはノーズから、大きく分けて3タイプ。
レスポンスが良くクイックな「ポイントノーズ」(画像左)
ノーズが沈みにくいので安定性に優れるが、レスポンスが良くないのでパワーを要する「ラウンドノーズ」(画像中央)
ポイントノーズとラウンドノーズの特性のほぼ中間をとる「スクエアノーズ」(画像右)

テールはボードコントロールのみならずターンへの影響が大きい。
主流でありコントロール性が高い「ラウンドスクエアテール」(画像1)
水の抵抗が低くコントロールしやすい「ラウンドテール」(画像2)
スクエアとラウンドの中間「ダイヤモンドテール」(画像3)
クイックなターンが可能な「ラウンドスワローテール」(画像4)

フィン

ボートに荷重がかかると喫水が下がり、曳波が大きくなる。波を大きくするために積む重りをバラストという。ウェイクサーフィンの場合はライディングする側のみにバラストを入れる。

ライン/ロープ/ハンドル

ボートとライダーをつなぐロープ、持ち手はハンドルと呼ぶ。
ウェイクサーフィンのロープは24~25フィートが主流。(1フィートは約30cm)

バラスト

ボートに荷重がかかると喫水が下がり、曳波が大きくなる。波を大きくするために積む重りをバラストという。ウェイクサーフィンの場合はライディングする側のみにバラストを入れる。